NURO光が海外のIPアドレスを割り当てているというのはデマ
NURO光はグローバルアドレスが1個動的に割り当てられる
ツイッターなどでは、NURO光海外IP問題として
「海外のIPアドレスが割り当てられた」
「NUROは日本の動画配信が見られない」
「海外経由なのでオンラインゲームのタイムラグが大きい」
というようなデメリットが、まことしやかに語られています。
しかし、これらはすべて間違った情報です。
NURO光は、一般的な国内プロバイダと同様に、日本国内のグローバルIPアドレスが1個割り当てられます。
NURO光で割り当てられるアドレスは日本国内のもの
NURO光の契約者に割り当てられるIPアドレスは、NURO光の運営会社であるソニーネットワークコミュニケーションズが正規に取得したもので、日本国内のIPアドレスです。
NURO光を契約すると、海外のIPアドレスが割り当てられるというのは、まったくのデマで、そのような事実はありません。
NURO光は海外からのアクセスとして誤判定されるケースがある
誤ってドイツからのアクセスとして判定されるケースが確認されているのがデマの原因
NURO光は正規に取得した日本国内のIPアドレスを利用者に割り当てしているのに、一部サービスで海外からのアクセスとして誤判定されるケースが確認されています。
誤って海外からのアクセスとして判定されてしまうと、エラー画面に飛ばされて、動画が見られなかったり、ゲームができなかったりすることになります。
NURO光に乗り換えたせいで「今までのプロバイダで問題なくできていたことができなくなるなんて詐欺だ」と思うのも無理はありませんね。
国の判定を間違っているのが原因です
NURO光は日本国内のみで提供されている光回線サービスです。
NUROの契約者は、当然日本国内からアクセスしているのですから、ドイツ経由で接続しているというのはおかしな話で、そんなわけはありません。
単純に、動画配信サービスやオンラインゲームのサーバーが、地域判定を間違っているというのが原因です。
具体的な事例としては、92.202.○○○.○○○ のIPアドレスを割り当てられたNURO光ユーザーを、ドイツからのアクセスとして判定ミスしているサービスが確認されています。
なぜNURO光は海外IPとして誤判定されるのか
2018年までドイツの事業者で使われていたIPアドレスを継承している
NURO光で地域判定ミスが確認されている 92.202.○○○.○○○ は、2018年まで実際にドイツで利用されていましたが、現在はnuro光が利用しているIPアドレスとして登録されています。
NURO光の利用者が海外からのアクセスとして判定されてしまうのは、判定している動画配信サービスやオンラインゲームが、古いIPアドレス情報を使っているからと想定されます。
IPアドレスで国を判断するGeoIPという仕組み
IPアドレスを使った国判定は推測でしか無く完全ではない
そもそも、IPアドレスだけでは、どの国からアクセスしているかを正確かつ瞬時に判別することは不可能です。
IPアドレスは全世界で一意のものなので、どのIPアドレスを誰が使っているかは、データベースで管理されていて、その都度データベースに確認すれば、最新のデータを得ることができます。
しかし、莫大なアクセスがあるサービスでは、その都度確認して判別するのは現実的ではありません。
そのため、IPアドレスと国を対応させたデータベースを作って、どの国からのアクセスなのかをあるていど推測できる、GeoIPという技術が開発されています。
多くのサービスでは、このGeoIPを使ってアクセス元の国を予想して判定しています。
古いデータベースのまま使っているとNURO光が海外に誤判定されてしまう
古いIPアドレスデータベースは更新されていない
GeoIPのデータベースとして、広く利用されてきたのは、GeoLiteという無料のデータベースですが、現在はGeoLite2にバージョンアップされています。
すでにGeoLiteのデータ更新は終了しているため、2019年1月時点の古いデータのまま止まっています。
実際に、92.202.○○○.○○○ のIPアドレスを、GeoLiteのデータベースで判定すると、更新されていないためドイツになります。
最新の GeoLite2では、もちろん日本として判定されます。
つまり、古いGeoLiteなど、不正確なデータベースを使用して地域を判定している場合、nuro光の一部アドレスはドイツのままになってしまうのです。
しばらくIPアドレスを寝かしておく「エイジング」も意味がない
IPアドレスを割り当てられたNUROが、判定用データベースに反映されるまでの一定期間、IPアドレスをユーザーに使用しない方法もあります。
これは、「エージング」と呼ばれる方法で、これまでも一般的に行われています。
しかし、古いGeoLiteデータベースは更新されないため、サーバー側が古いデータベースを使いつづけている以上は意味がありません。
実際に、NUROで海外IPアドレスが利用開始されたのは、2019年2月ごろですが、1年たっても誤判定の問題は解決されていません。
NURO光のONUやホームゲートウェイを交換してもほぼ意味がない
NURO光は、接続ごとにIPアドレスが割り当てられる「動的IPアドレス」のサービスです。
ネットを利用するたびに接続する、ダイヤルアップ接続の時代は、少ないIPアドレスを節約して使うために、接続ごとにグローバルIPアドレスが変更になるのが当たり前でした。
しかし、常時接続が当たり前になった今では、接続ごとにIPアドレスを変更するメリットは特にないため、いったん切断して再接続しても、同じグローバルIPアドレスが割り当てられる、いわば「半固定アドレス」のサービスが増えてきました。
NURO光も、ONUの再起動でIPアドレスが変更になるケースは少ないようです。
ONUを交換することでIPアドレスが変更になることを期待して、いわゆる「ONUガチャ」としてダメもとで交換を申し込むケースもあるようです。
しかし、同じサービスメニューを同じ住所で利用する以上、大きくIPアドレスの範囲が変わることはないため、近いIPアドレスが再度割り当てられるケースがほとんどなので、無意味です。
「NURO光海外IP問題」に対応すべきなのはサービス側
NURO光がプロバイダとして技術的に対処できる方法は存在しない
NURO光でアクセスできないサービスやサイトがあるのは事実ですが、その責任はNURO光を運営しているSo-netにはありません。
その責任は、国内の利用者で国内のIPアドレスを利用しているのに、海外からのアクセスとして誤判定しているサービス側にあります。
海外に判定されるIPアドレスを使わないという方法もありますが、そもそのIPv4アドレスは全世界的に不足しており、世界的に融通しあっているのが実情です。
そもそもNURO光ユーザーが増加しているのでドイツの会社から譲ってもらったわけで、NURO光の利用者に対してIPアドレスの数が不足してしまうと、NURO光が使えないひとが出てしまうことになります。
そのため、NURO光が自分でなにかできることはなく、ユーザーの声をサービス側に届けて、対応をお願いするくらいしかできないでしょう。
NURO光公式サイトでも、海外のIPアドレスに判定された場合は、まずはNUROサポートデスクに相談するように案内しています。
海外アクセスを制限しているのは動画配信サービス事業者の都合
動画配信サービスやオンラインゲームの企業が、海外からのアクセスを遮断するのには、海外との接続回線費用を減らす目的や、契約や権利上海外には提供できないなどの理由があります。
しかし、動画配信サービスやオンラインゲームは、正規の利用者にアクセスしてもらってなんぼの商売です。
不正確なデータをもとに、日本国内の正規ユーザーを排除してしまっては何の意味もありません。
たとえば、DAZNはNURO光の利用者を海外からの利用者として判定するケースがあることを把握していますが、まともに対処しておらず、利用者側での対策を案内しています。
■ NURO光をご利用のお客様へ
現在のところ、ご利用のIPアドレスにおきまして、海外と判断されてしまうお客様がいらっしゃいます。大変恐れ入りますが、NURO光サービスにおきまして、IPアドレスが日本国内のものと判断されるか、ONUの再起動を繰り返し行なっていただくよう、お願い申し上げます。
https://my.dazn.com/help/different-country-jp
一部のプロバイダユーザーを差別的に取り扱っている動画配信サービスやオンラインゲームは、いち早く誤判定問題を解決すべきでしょう。
DAZNへの連絡方法
アカウントの種類 : DAZN
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お問い合わせの詳細を選択してください : ブロックされている
問題の内容 : 光回線をNURO光に変更したところ、海外からのアクセスであると判定されてしまい、DAZNを視聴できなくなりました。
プロックの解除をお願いします。
IPアドレス : (アドレスを記入)
結論
NURO光 は海外のIPアドレスが割り当てられるというのはデマ!
困っているnuro光ユーザーは、まずは NUROサポートデスク に相談を!
それと同時に、データベースの更新をサボって、国の判定を間違っているサービスにはきちんとクレームを入れましょう。